映画という”娯楽”が帰ってきた。映画 キャラクター
2021.06.25

映画という”娯楽”が帰ってきた。映画 キャラクター

皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。

豪華出演陣で話題となっている、映画「キャラクター」( 永井聡監督)をTOHOシネマズ甲府で鑑賞してきました。

エンターテイメントとしての映画が帰ってきた!
これ、娯楽作として、相当いい線いってるぞ。劇場で観るべし。

漫画家、山城 (菅田将暉)と殺人鬼、両角(Fukase)の奇妙な関係を描いたスリラー。

良かった点。

○ 映画オリジナル作品

原作のない、この映画の為の完全オリジナル脚本作品だそうです。どのくらい売れるかわからないのに、よくこんな大作で撮れたなあ。
脚本は、長崎尚志さん。浦沢直樹作品の共同脚本家の方だそうです。なるほど、それで「MONSTER」っぽいテイストなのか。ストーリーテリングも、アイデアも、良く練られていて、エンターテインメントとして面白かった。

○ Fukase(SEKAI NO OWARI)

役者陣、皆素晴らしいんですが、
殺人鬼ダガーのモデルとなっている、Fukaseさんがとにかくすごい。俳優デビュー作だそうですが、ハマり方が尋常じゃないです。おそらく演技をしていなくて、これは素なのでは?という感じ。
SEKAI NO OWARIについて、名前以外はほぼ何も知らず、この作品でFukaseさんのことを知りました。
元からの先入観がなかったのが良かったかも知れませんが、「デス・ノート」のL(松山ケンイチ)とか、もっと言うと、「ダークナイト」のジョーカー(ヒース・レジャー)のような圧倒的存在感でした。
アカデミー賞、あるんじゃないか。

○ 画面のルック、画面構成

殺人現場が複数出てくるんですけど、その演出、構成が見事。細部まで綿密に作り込まれています。
一番最初の殺人現場の印象が、どれだけインパクトがあるかでこの作品の評価が決まると思うのですが、
それは完璧に演出されていました。Fukaseさんの持つアート性とも良く一致していて、殺人現場がアートになっていた!
山城(菅田将暉)の作業場、アトリエもなかなか凝った作りで良かったなあ。世界観がしっかり作られていました。

○ 予告

すいぶん前からTOHOシネマズ等でかかっていた、予告が秀逸です。
このトレイラーを見て、観たいと思っていた人も多いのではないでしょうか。
本編を観たあとに見返しても、なかなかよく出来た予告編だと関心します。

個人的感想。

映画本編と関係ないですが、鑑賞したのは、フライデーナイトのレイトショー。
劇場はほぼ満員で、コロナ以後の世界で、フルハウスは初めて経験しました。
普段映画を観ないようなお客さんがいっぱい入っていて、その証拠に途中入場や、上映中のおしゃべり、携帯チェックをする客が多いこと。。(しかも、若い人でない)
でも、久々に両隣にお客さんが入った状態で観る映画は、街場のエンターテイメントとしての、”娯楽の王道”としての映画が帰ってきてくれたようで、大いにに嬉しくなりました。

オープニングクレジットに「フジテレビ」と出た瞬間に、いやな予感がしたんです。それは、これまでに観てきたテレビ局バジェットのビックタイトルに軒並みいい印象が無かったため。(「世界の亀山モデル」と宇多丸さんが評してきたやつですね)

ところが、今回は相当良かった。
脚本も良く練られていて、観たことありそうで無い話だし、この手の作品で重要なキャラ立ちがしっかり出来ているし。
殺人シーンを見せなかったりして、俳優デビューのFukaseさんのアラが出ないような使い方も良かったし。
デジタル時代のマンガの制作方法を知れたり。(タブレットにペンで描いていました)主役じゃない小栗旬は、けっこう良いじゃん、とか。
守られる存在に徹する、「白い」高畑充希さんは最高だ、とか。

話のテンポや美術や、映画としてこちらが観たいものは概ねクリアしていて、娯楽作として、大いに楽しめました。

凄惨な殺人現場のシーンが多々あって、「土曜プレミアム」とかでCMつけて流せるのかね?、これ。

これは大傑作ではなく、大娯楽作でしょう。
というのは、ツッコミどころも満載で、安定のフジテレビテイストが残っています。
特に警察の扱い方がひどい。こんな間抜けな警察は嫌だ。ここは「踊る大捜査線」でした。(笑)
でも、映画全体が面白いため、今回は気になりません。

謎解き考察要素も多々あります。次作スピンオフはおそらく、Fukase演じる両角の誕生前日談。なぜ第一の殺人を犯したのかの謎に迫る、タイトルは「DAGGER」になると思う。(笑)

あと細かいですが、個人的に刺さった点は、
菅田将暉さんがホラー漫画家として成功していて、「ああ、麦君は漫画で食べていけるようになったんだ」と「花束みたいな恋をした」のパラレルワールドとしても楽しめます。(笑)あと、上九一色村、オウム事件をモチーフとしている点において、ここ西湖も映画の舞台だってこと、ですかね。

とにかく、良かった点を上げればキリがないですが、観た人と「面白かったね」と感想を言い合える映画です。
デートムービーでも良いと思うし、娯楽として誰でも楽しめるから、劇場で鑑賞した方が良いですね。
頭空っぽで、前提知識なしで楽しめるのも、優れた点だと思います。

満員の劇場で、お客さんが感想言い合いながらぞろぞろ歩いていく光景は、やっぱり映画でしか起こらないことなんじゃないか、と思いました。
改めて、日常の彩りには、娯楽が大切。
「キャラクター」は、とにかく面白かったです。

ありがとうございました。

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