発掘良品。”障害者下ネタコメディ”! 映画 コーダ あいのうた
2022.03.05

発掘良品。”障害者下ネタコメディ”! 映画 コーダ あいのうた

皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。

2022年アカデミー賞作品賞にノミネート、映画「コーダ あいのうた」(シアン・ヘダー監督)をTOHOシネマズ甲府にて鑑賞して来ました。

泣かない人はいないであろう、ヒューマンストーリー&コメディ。
スーパーヒーロー映画ばかりじゃなくて、こういうアメリカ映画が観たかったわ。
2014年製作のフランス映画「エール!」のリメイクらしい。

○ コーダという単語

私は初めて知りました。タイトルになっている「コーダ」という単語。
これ「Children of Deaf Adults」の頭文字から取っているみたいで、要は、「耳の聴こえない両親に育てられた子ども」のことみたいです。

主人公ルービー(エミリア・ジョーンズ)はコーダとして生まれて、4人家族のうち両親と兄が、ろうあのハンディキャッパー。家族の中で耳が聞こえるのは彼女だけ、というのがストーリーの基本設定。
一家の通訳としての、当事者しか感じられない苦悩が描かれています。
そして、耳が聞こえないということの、残酷なまでの過酷さもしっかりと描かれていて。。

私にとっては、手話で生活することを普段意識することがない環境ですから、映画を観ることで、2時間の間だけでもそのことに意識が向けられたという点で、とても価値がありました。

映画の価値の一つ。
それは、知らない世界を教えてくれること!

○ 「サビ」への持って行き方が素晴らしい。

今作が高い評価なのは、特に脚本がすばらしいからでしょう。
ちゃんと最後に泣かせるように、伏線を見事に張っています。

予告でわかっちゃいますが、「家族の中で唯一耳が聞こえる主人公が、特別な歌の才能があって、家族と離れて音大に進みたいよ」というストーリー。
てことは、「残された家族はどうなるの?」「家族はその歌と才能を理解出来るの?」
という観客の興味を引くテーマを、引っ張って、引っ張って、
からの、最後に見事に着地させてみせます。

クライマックスでは、めちゃめちゃ泣かされる。
こうすれば泣くんでしょ?というような決まりきったプロットなんですが、基本をしっかりと、ちゃんとやってみせた今作の監督・脚本も務めたシアン・ヘダー氏の力量は、相当高いレベルなんだろうなぁと、感服致しました。

はい、作り手の思惑通りにまんまとやられまして、少なくとも私は、”ダム決壊”レベルで泣いてしまいましたね。
最近、涙もろくなったわ。(笑)

○ 障害者だって、下ネタ大好き。

今作は、たしかに感動するストーリーが用意されているのだけど、
ただの感動作なら、そこまで評価しないんですよ。
そんな「深イイ話」みたいなのは、お金払って、劇場では観たくないし。

その点、今作が優れていると感じるのは、下ネタが満載なんですよ。それも手話で!
他の手話は、字幕が出ないと理解出来ないのに、下ネタだけは訳さなくてもわかっちゃう。
特に父親のやる、あからさまな下ネタ手話ね。(笑)

こういう「障害者の性」みたいな一昔前なら無いとされてきたテーマにしっかりと向き合っていて、しかもコメディとして成立するように昇華させています。
それでいて、品は崩してないの。

うむ、レベル高いでしょ、これ。

その他、思ったこと。

※ キャスティングには、実際にろうあ者の役者さんを充てているという点が、今日的で素晴らしい。
※ 合唱部の先生のキャラクターが素晴らしい。映画「セッション」のJ・K・シモンズを思い出した。
※ 音楽の使い方もGood。ザ・クラッシュの「I Fought The Law」にはアガったなぁ。
※ 上映時間111分ってちょうど良い。最近、長い映画が多すぎるよ。
※ 辻褄合わないご都合主義な展開もあるけれど、フィクションとして、目をつぶれるレベル。

てなわけで、
とにかく、作品全体を通して、なんかコンパクトな「かわいい」映画だなって感じました。
泣くところはがっつり泣けるし、笑えるところは笑えるし、肩の力を抜いて、楽しめるコメディ。

うん、最近めっきり見ないけど、こういうのが観たかったなって感じ。

スーパーヒーロー映画もいいけどさ、こういうやつが自分の好みで、私は大満足しました。

今、劇場でかかっている作品の中では、1番おすすめの作品ですね。
「コーダ あいのうた」は正統派のザ・発掘良品って感じでした。

ありがとうございました。

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