街の本屋は、希望の箱。 映画 騙し絵の牙
2021.04.12

街の本屋は、希望の箱。 映画 騙し絵の牙

皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。

現在公開中、映画「騙し絵の牙」(吉田大八監督)を観て参りました。観客として、まんまと騙されました。役者アベンジャーズの「顔芸思惑まつり」が凄かったです。

大手出版社の社内権力争いは、どういう結末を迎えるのか、というストーリー。ストーリーを楽しむ映画ではありません。人間と人間の駆け引きを楽しむ映画。出版社はアウトレイジだったのだ。

良かった点。

○ 予告に騙された

まず予告を観て、こっちが騙されました。思っていた映画と全然違う。もっと「オーシャンズ」シリーズみたいな感じかと思っていたので、観ながらこれ、着地はどうなるの?という感じが面白かったです。ミステリーのふりした、実はコメディでした。

○ マクガフィン

会社内の権力争いが作品のテーマかと思いきや、それはマクガフィンでした。それ自体に意味はなく、意味が無くても成立する作りになっているのが、見事だと思いました。監督や脚本が上手いということなのでしょうね。

○ アベンジャーズたち

オールスター級の役者陣が勢揃いで、それぞれが思惑をうちに秘めた見事な演技をしていて、それが不穏な不気味さとなっています。登場人物が多めでも、とっ散らからずに整理されている点は、桐島にも通じる吉田大八監督の群像劇の上手さが成せるわざなのでしょう。役者を褒めればきりがない映画ですが、主役が大泉洋かと思いきや、実は松岡茉優というとこにも騙されました。またしても松岡無双、としかいいようのない、松岡茉優の凄まじさよ。今実力No.1若手アクトレスですね。素敵すぎた。

大泉洋さんを中心に、各登場人物それぞれの思惑が絡みながら、話が進んで行きます。今回の大泉洋は、ただただ怖い。大人の社会、相手が何を考えているかなんてさっぱりわからなくて、思惑が複雑に絡み合うから社会は難しい。その象徴としての大泉洋。彼の表情、立ち振舞だから成立しているし、ホント何考えているかわからない、煮えない、食えない男だ。素晴らしい。(笑)

私個人の経験では、会社に就職した経験が無いため、社内の権力争いの凄まじさなど知るよしも無いし、社内プロジェクトを進める人間関係なんかも実体験として無いため、この映画は疑似体験として面白かったです。ネットストリーミング時代の出版のあり方にも触れていて、ここは今現実にROBROYが抱えている問題とリンクし、映画内ではひとつ解決が提示されているのでそれも良かった。

要は、「商品の本当の価値を見極め、オリジナルな価値を提供しよう」ということだと思います。
Amazonに出来ない事は何か?あえて響く商品、売り方とは何なのか?

ここは、ROBROYも日々向き合わなければならない課題でした。

そして、本屋が潰れて行く世の中も上手く描かれています。その社会に、未来はあるか?
たとえ貧しくても、いや貧しいからこそ、カルチャーにお金を出したいと思わされました。私の場合は、劇場まで行って映画を観る行為を、リアルにお金が無くなった今こそ続けて行きたいと思った次第です。

文化とは、余裕のあるひとの道楽の為だけにあるのではない。手に汗するひとの生きる希望の為にあるんでしょ。

映画のメッセージとリンクするかはわかりませんが、そんな事を思わせてくれる映画でした。

ハイクオリティ。良作です。

2021シーズン  第12日目
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