今、スピルバーグからのメッセージ! 映画 ウエスト・サイド・ストーリー
皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。
世界公開から遅れること2ヶ月。
映画 「ウエスト・サイド・ストーリー」(スティーブン・スピルバーグ監督)をTOHOシネマズ甲府とTOHOシネマズ新宿で、計2回鑑賞して来ました。
大クラシックの大ネタを、今改めて知れる幸せ。
2022年に、まだスピルバーグ(75歳)の最新作を”劇場で観られる幸せ”をしみじみと噛み締めました。
2022年最重要作にして、大傑作だと私は感じました。
※アカデミー10部門受賞の大クラシック、映画版「ウエスト・サイド物語」ではなく、本人曰くブロードウェイ・ミュージカル「ウエストサイド物語」のスピルバーグによる再定義リメイクムービーらしい。
○ 今、なぜ、「ウエスト・サイド・ストーリー」なのか?
言わずと知れたクラシックの超名作、「ウエストサイド物語」。
もちろん、名前は聞いたことがありましたけども、、
1961年「ウエスト・サイド物語」は観たことがありません。ストーリーも知らないし、その歴史的意義などについても、何も知らないままに鑑賞しました。
1957年初演のブロードウェイミュージカル版も、もちろん未体験。(てか、ミュージカルって観たことあったかな?)
あぁ、このあたり、自分の文化的教養の無さよ。。
なので、リメイクが決まった事を知った半年前から楽しみにしていました。
それもありがたい事に、現代映画界最大の巨匠のひとり、スティーブン・スピルバーグが撮ってくれるっていうんですから。
例えば「ローマの休日」も「エデンの東」も「ベン・ハー」も観たことないわけで、名作なんてほとんど観たことがありません。かと言って、こういう機会がなければ自主的に見ることなんて、絶対に出来ないし。
こういう現代映画作家による再定義というのは、本当にありがたいことです。
というわけで、今回「ウエスト・サイド・ストーリー」というものを体感することが出来ました。まずはここ、スピルバーグに感謝しなければという気持ちです。
その上で、なぜ今スピルバーグが「ウエスト・サイド・ストーリー」を作りたかったのかという点については、結局”本人がやりたかったから”というのが一番の理由みたいですけど。
鑑賞後だから思うのは、やっぱりスピルバーグは、この時代と社会に投げかけたいメッセージを持って、意図的に制作したのだぁという点を感じました。
特に、現代社会に対するカウンターのようなスピルバーグ的解釈とメッセージを、様々な点で感じましたよ。
○ 映画的とはどういう事か?映画とは何だろう?
スピルバーグから受け取ったメッセージとして感じたのは、「映画を映画館で観るとはどういう事か?」という点について。
映画って、ストーリーもドラマも対して重要ではなくて、デザインの格好良さと、音楽、そしてそれらを映画作家の編集でもって見せるものだという”スピルバーグ流の映画の定義”を見せつけられたかのようでした。
画が、歌が、ダンスが、カメラワークが、光と影の演出が、数え上げればキリがない、どれもハイクオリティのアートでした。
それをまた、これまでエンタメの巨匠として君臨してきた、つまりストーリーやドラマが抜群に面白い映画を作ってきたスピルバーグがやって見せたという点が、より凄いことだなぁと思って。
今作はぶっちゃけ、話のあらすじとかあまり真剣に考えちゃだめで、(実社会ではあり得ない)ミュージカルのような、歌とダンスの表現をスクリーンで”感じる”ことに意義があるような作品になっています。
エンタメ的な面白さというよりも、作品内世界に浸ることがとにかく重要というような、そういう作品。
だから、これは映画館で観なければダメなやつで、可能な人は出来る限り、劇場で観るべき作品だと感じました。
ちなみに甲府の通常スクリーンと新宿のスクリーン9、「TCX&ドルビーアトモス」で観るのとでは、全く違う質感でした。当たり前ですが、新宿で観たほう方が圧倒的に良い。
今後ますます映画興行は、環境を選ぶ、質が問われる体験になっていくのだぁと、地方在住者としては寂しい気持ちになりましたね。
甲府にIMAXが来る未来は無いからなぁ。
とにかく、皆がスマホを持って、ストリーミングを楽しむ時代に、「映画に出来る事は何か」を、スピルバーグが作品でもって回答してくれたという、歴史的意義も感じるありがたい作品でありました。
○ 人生は恋愛が全て?
あまり重要でないと言ったものの、何も知識がなかったので、今回初見の際には、その脚本、ストーリーにびっくり。
めちゃくちゃ「愛こそはすべてだ!」といった内容でした。
結ばれない運命の2人がハードルの大きさゆえ、真っ直ぐに恋愛に燃え上がるわけですが。
今どき、こんな話はない。(笑)
現代の若者の価値観から見ると、ここはなかなか理解出来ないかも知れない。
駆け落ち物語、ですからねぇ。。
しかし、このあたりは最近の自分のマインドにもぴったりと合致しているところで。
恋愛くらいしかもう、現代社会で自分にドラマを作る手段は無いんじゃないか、と思ったりしています。
こんなに燃え上がるほどの恋に突き動かされるって、やっぱり1番幸せなことなんじゃないか?って。
素直にそう思いました。
どれだけ好きなことやって、自由に暮らそうとも、恋愛中の2人の幸せには敵わないんじゃないかって。
傍から見れば、自由で好きなことして暮らしてていいね、と言われるワタクシですが、本当の幸せについては何にも知らないんじゃないかって。
もしかして、恋愛の幸せを自分は知らないんじゃないかって、そんな事を思わされました。
これを今投げかけてくるんだから、スピルバーグは恐ろしい。
結局人間にとって幸せな何かって、時代は進めど50年前から変わっていないようです。
結局、全てとは言わないが、恋愛は重要であり、幸せ。
ここに向き合わない限り、この人生で幸せはつかめないんじゃないか、というのが今作を観た上での私の感想であり、結論となりました。(笑)
とにかく、めちゃくちゃご都合主義で、辻褄が合わないところもある、ありえないラブストーリー。
面白く感じる人と、そうじゃない人は、このありえなさにノレるかどうかな気がしました。
語りたい点は、まだまだいっぱいあって。
※ 移民の問題は日本人からすると実感がないけれど、これがアメリカの真実で、生きてくだけで精一杯だな、とか
※ キャストが素晴らしいから成り立った、とか(マリア役のレイチェル・ゼグラーが特にお気に入り)
※ 2021のミュージカル映画大傑作「イン・ザ・ハイツ」との比較を語りたい、とか
※(呪術廻戦のため)日本だけ公開遅れ問題、の評価はどうだったの?、とか
※ パンフレット3000円だってよ!
※兄の殺人犯とFUCKって。いくらなんでも、それだけはねぇだろ!!とか
挙げればキリがない。
大絶賛の人と、ストーリーに乗れない人と評価が分かれているようですが、私はもちろんこれ、大絶賛で!
ぜひ観た人と語り合いたいし、
ストーリーやキャスト、ジェッツ対シャークスの対立構造がはっきり理解出来た2回目が特に面白かったので、これはお話のプロット、物語を理解してから観るのがおすすめだな、と感じました。
本当に偉大なフィクションは、ネタバレした方がより面白い。
これすら昨今のネタバレ問題に対するスピルバーグからのメッセージなのかなと思ったりして。
今、映画を観ること。
生まれた境遇で幸せになるにはどう生きたら良いのか。
人生において、恋愛とはなんだ?
そんな事を感じさせてくれる、2022年に観るべき大傑作だと感じました。
偉大なるスピルバーグとチームスピルバーグに感謝したいと思います。
2回目は超絶面白かったです。
ありがとうございました。
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