”恐怖”を撮影する。シャマラン初体験。映画 OLD
2021.09.19

”恐怖”を撮影する。シャマラン初体験。映画 OLD

皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。

一応映画ファンなら観ておかないといけないし、TBSラジオ「アト6」の「ムービーウォッチメン」の課題作にも選ばれていた、M・ナイト・シャマラン監督の最新作、映画「OLD」をTOHOシネマズ甲府にて鑑賞して来ました。

私はシャマラン監督作、初見。へぇ、これが噂のシャマラニズムってやつか。
これは、感想難しいぞ。(笑)

※ 老化のスピードが早くなるビーチに取り残された人のパニックを描いた、スリラー。

良かった点。

○ シャマラニズム

「シャマラニズム」とか、「シャマラニスト」、なんて言葉に象徴される、その独特過ぎる作家性。
これがM・ナイト・シャマラン監督の手法なのか。最新作を劇場で体験出来たことは、本当に良かったです。
私はこれ1作しかシャマラン監督作を観ていないので、他の作品の事はわかりませんが、クセと個性が強いので、好みははっきりと分かれるのかも。私の好みには、これは正直合わない感じかなぁ。。
「アイデア」と「どんでん返し」の人だという事前の知識だけはあったのですが、それは案の定、今作でも披露されまくっていて、シャマランの映画を観た、という気分にさせてくれたのは良かったです。

○ ポスターワーク

この足だけが写っているポスターがいいですよね。
宇多丸師匠によると、アーロン・ベッカーさんという方が手掛けているようです。あの、「プロミシング・ヤング・ウーマン」なども担当されている著名な方のようで、この方はセンスいいなぁ。これはヒッチコック映画風なんですって。印象的。カッコいいね。

個人的感想。

多角的に語れる作品なので、感想とか言いにくい作品ですね。
特に、ネタバレしないように語るのは、かなり難しくない?(笑)

その上で、ネタバレしないように思った事を書きますと、
老化する人類普遍の恐怖をシャマラン監督流に描いている作品だと思ったし、
観た人なら納得のメタ構造になっている映画ですが、まるで佐々木俊尚さんの著作のタイトルのような「レイアー化する世界」を映画で表現しているなと感じました。

老化からは誰も逃げられず、老化する人生のなかでどう振る舞うかというのは、いつの時代も我々人類が抱えてきたテーマであって。
今作でも、極端に老化が早く進む閉じ込められた世界での、登場人物たちの行動とその右往左往を観ながら、こちらは観客として、”一瞬で終わってしまう自分の人生について考える”、という映画体験が出来ました。

この映画では、24時間で一生分の時間が経過しますけど、
翻って我々の実人生だって、80数年一瞬で過ぎて行きますもんね。
気づけば今年も、もう9月。気づけばもう2021年。もうすぐ自分は40歳。。

今作は”老いる”ことにテーマがありますけれども、逆に”老いない”ことをテーマに扱った今年6月公開作、 石川慶監督の「Arc」(タイトルもテイストも似てる)との比較もしながら面白く鑑賞することが出来ました。

そして、自分の見えている世界の外側にも、「世界」は広がっているんだというシャマラン監督流のメタファーもしっかりと受け取りました。
そうか、なるほど、これがシャマランが「どんでん返しの人」と言われる由来なのね。

その特異な作家性も存分に堪能出来たので、個人的には、この「OLD」まあまあ楽しめました。

この映画を楽しむオススメポイントは主に2つ。本編前にオープニングで流れる、顔出しシャマラン監督本人による、コロナ禍の中、劇場に来てくれた観客に対するメッセージと、シャマラン監督本人の顔を良く覚えておくこと。これが1点と、
もう一つは、作品の細かい粗には目をつぶって、(ツッコミどころは多めなので)
現実の実世界で今起こっている事を頭の片隅に入れながら鑑賞すると、より楽しめる作品だと思いました。

個人的には、このテイストだと、配信なら絶対に途中でやめてしまいそう。
劇場で「閉じ込められて」鑑賞出来て良かったと思います。

ありがとうございました。

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