【大傑作!】格言マシンガン。「幸福は、創造の敵!」映画  映画大好きポンポさん
2021.09.27

【大傑作!】格言マシンガン。「幸福は、創造の敵!」映画 映画大好きポンポさん

皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。

6月公開時に話題になっていたのは知っていたけど、観る機会がなかったアニメーション映画「映画大好きポンポさん」(平尾隆之監督)を甲府市にある二番館、「シアターセントラルBe館」にて鑑賞して来ました。

(良い意味で)裏切られ度、今年 No,1!舐めたらあかん。すごい映画だ。
ポンポさんは、この見た目で、まさかのマッチョイズムに溢れた理想の上司だった!

※ 映画の都「ニャリウッド」を舞台に、敏腕映画プロデューサー「ポンポさん」と新人監督「ジーン」が映画「MEISTER」を制作していく過程を描いたストーリー。

良かった点。

○ シアターセントラルBe館

本編の内容と関係ないところですが、今回鑑賞した箱は、甲府市駅前にある「シアターセントラルBe館」。私は今回初めて訪れました。今や都内でも貴重な二番館が、まさか甲府に存在していたとは。これは今後応援しなければなりません。
劇場に入る際、係の方からスマホの電源をオフにするよう求められ、ペットボトル等の持ち込みも一切禁止。こだわり強めですが、そのくらいはまあ協力します。なんたって、小さいながらもこの時代、映画館の営業を続けてくれているのだから。もちろんスクリーンは小さく、シネコンに比べてシートは良くないですが、二番館ならそれで良し。私は応援したい。お金落としに来たいです。

○ 燃えるストーリー

意外や意外。
この画の感じで、このタイトルで、内容はロッキーのような燃えるストーリーでした。うん、萌えた。燃えた。(笑)
要は、陰キャの主人公が映画作りに没頭して、サクセスするまでを描いたストーリー。
中でも今作は、クリエイトすることの苦労がしっかりと描かれている点が良かったです。
苦労してモノ作りしている人には、このストーリーは突き刺さるはず。

○ タイトな上映時間

この映画のオチにも繋がるところなのですが、上映時間が無駄なく、スッキリ。優れた映画の条件を満たしており、気構える事なく鑑賞出来ます。タイトで面白い映画は正義!素晴らしい。

○ 声優陣

声優さんが良かったですね。
特に良かったのは、ポンポさん役の「小原好美」さん。その世界では、有名な方のようです。
アニメ声なのに、ずっと聴いていたくなるような落ち着きも持った声でいらして、この声で発せられるポンポさんの格言に、ビッシビシ打たれた次第です。

個人的感想。

事前情報がない状態で観たものだから、ぶったまげましたね。
良い意味で裏切り度が凄い。なんて熱い映画なんだ。。

ポンポさんの発する格言を聴くだけでも価値があります。

「映画って女優を魅力的に撮れれば、それでOKでしょ」
「2時間以上の集中を観客に求めるのは、現代の娯楽としてやさしくないわ」

などなどの映画哲学には、いちいちうなずくばかり。
ここは映画ファンとして、面白く感じたところ。

そして、何かをクリエイトすることの情熱や産みの苦しみが、この映画ではしっかり描かれているから、同じ立場にいる人には、メッセージがビッシビシ突き刺さって来ます。
そう、好きな事を仕事にするって、こういうことだった。好きを仕事にするのは、実は辛く苦しい。
でも、もう自分には、それしかないって事を自認するところから、プロの道が始まるんだ。
主人公「ジーン」の胸中が、今の私にはダイレクトにぶっ刺さって、大共感。悶絶ものでした。

ただ、それが今作では、めちゃめちゃマッチョイズムに描かれているので、ここは賛否を呼びそう。
一番印象的なのは、ポンポさんの発する、「幸福は、創造の敵よ」の名セリフ。
主人公のジーンも、編集しながら、幸福を「切る」わけですが、、
ここは昨今のブラック企業の問題とも直結しそうで。
本人が創作にのめり込むのは、良いことだと思うのですが、結果的に周囲を巻き込んでしまうのは、どうなんでしょうかね。難しい問題だ。

その方が、「熱」は、乗るんだろうけどね。。

おそらく、ポンポさんのキャラクター造形(小学生の見た目)は、このマッチョイズムを中和するためのものだと思うのだけど。
あくまで、フィクションラインも崩さず、という塩梅で。
だとしたら、上手くいっています。

そして、マネタイズもしっかり描かれています。
綺麗事では、モノは作れない。いいものを作るためには、制作費がかかるのだ。
当たり前な事ながら、制作における両輪の問題にしっかり踏み込んでいて。
映画製作チームの根性だけで作ったわけでなく、お金を工面した裏方の頑張りもしっかり描かれている点も良かったです。

というわけで、舐めてたこっちがすいませんでした。
何かをクリエイトする人には、メッセージがビシビシと突き刺さってくる、夢中で手を動かしてる人を応援してくれる、超良作でありました。

ラストのオチも最高!

こういうタイプの映画は、これまで観たことなくて新鮮に感じたし。文句なし。面白かったよ。

ありがとうございました。

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