【2021最大熱量!】なんという、青春の”切れ味” よ。 映画 サマーフィルムにのって
皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。
映画ファンの間で、今、圧倒的な熱量を持って語られている話題の映画、「サマーフィルムにのって」(松本壮史監督)をシネマサンシャイン沼津にて鑑賞して来ました。
2021年、最大熱量で語りたくなる大傑作!!
“夏に求める全て”が詰まった、超素晴らしい映画でした。大絶賛します!
※ 映画部女子高生の、ひと夏の映画製作を中心に描いた、青春×時代劇×SF×恋愛×ファンタジー群像劇。
良かった点。
○ 主演 伊藤万理華(ハダシ)
伝説の女優の、誕生の瞬間に立ち会えました。
今作の主演は伊藤万理華さん。元乃木坂46の1期生だそうです。元アイドルということはおろか、その存在すらも、何もかもを知らないで観たもんだから、まぁびっくり。
伊藤万理華がこの映画にフィットしすぎ!なんて魅力的な女優なんだろう。。
凄すぎ。久々の画面に釘付け状態。伊藤万理華がもっと観たくって、映画が終わらないでくれ、と思いました。(笑)
今作のハダシという役に、何もかもが合っている。髪型から、キャラクターから、表情から、走り方から。
観た人皆が指摘したくなるところですが、この作品は「時をかける少女」(大林宣彦監督)をなぞっているところがありますので、すなわち「原田知世さんの再来」ってことでいいでしょう。
例えるなら、「愛のむきだし」(園子温監督)の満島ひかりさんを見たときの衝撃とでも言えば良いのかな。絶対にここからスターダムにのし上がっていくであろう、そんな期待感をもたせる圧倒的な輝きがありました。
とにかく、伊藤万理華が素晴らしい。これに尽きる。これはアカデミー、あるんじゃないか?
○ その他のキャストも素晴らしい
青春映画の瑞々しさを上手く表現出来ている今作。他のキャストも素晴らしいです。挙げるときりがないけど、
- 河合優実(ビート板)
- 祷キララ(ブルーハワイ)
- 金子大地(凛太郎)
- 甲田まひる(花鈴)
- 板橋駿谷(ダディボーイ)
主演のこれらの方々、最高に良かったです。ずっと観ていたくなる仲間達。
お願いだから、私も仲間に入れてくれよ、となります。(笑)
キャストの整理と、振り分けのバランスがすごく上手いので、観ていて、主役以外にも感情移入が出来ました。ビート板の恋愛シークエンスの演技、表情ったら、最高に良かったし、ブルーハワイの、”セリフなしでも説得力のある笑顔”も最高でした。
金子大地は「猿楽町で会いましょう」に続く、作品を引き寄せる運(実力のうち)を持った俳優で、言わば日本のライアン・ゴズリング。成功するに決まってる。彼は、声が特に良いです。
挙げてるときりがないけど、ここに出てこない、脇の方も含めて、登場人物皆が良かった!
○ 脚本
脚本は劇団「ロロ」主宰の三浦直之さん。凄い。神。
今作は脚本もまぁ見事。素晴らしく面白い青春映画になっています。
映画に打ち込む青春と、友情と恋愛と、SFと時代劇って、普通は無理筋な話を、奇跡のバランスで整って見せてくれました。本当に絶妙なバランス。これ以外あり得なかった。
2回見ると、序盤の「タメ」とか「フリ」の伏線回収が見事になされているのに気がついて、震えるほど感動しました。
コメディでもありますが、対比で笑わせていくコメディセンスが、私のセンスと合っているのか、いちいち笑ってしまう。特にツボは、ドローンが飛んでくるとこと、文化祭の映画部の2本立て上映ポスター。最高。
すなわちこれ、脚本が良く出来すぎです。
個人的感想。
(個人的な)青春映画の金字塔。きっと夏になったら毎年見る。そんな特別な映画になりました。
夏の特別感。それも高校3年の夏。人生で最も特別な1年かもしれない、そんな一瞬を見事に切り取って見せた、素晴らしい作品でした。
青春期にしかない衝動とパワー。”高3夏ブースト”とでもいいましょうか、そんな特別な衝動に突き動かされて、この映画部のメンバーは夏を一気に駆け抜けて行きます。それを見るのが、実に心地いいこと。こういうの、大好物なんです。ずっと観ていたくなります。
大傑作で褒めるところばかりですが、今作は「設定が意外としっかりしている」のが優れた点であると思っていて。
※ 例えば、SF作品としては、
オープニングタイトルの出るシーンで一瞬時が止まり、この世界は不思議な事が起こりますよ、という説明しておいてからのSF展開となります。
ビート板が「時かけ」を読んでいるシーンを見せてからの、凛太郎の設定の説明となって。
話の筋に無理がなく、暗示も効いていて、状況を飲み込みやすかった。
最初観ていて、「今のままで十分面白いから、SFで台無しにしないでくれよ」と心配しましたが、ギリギリのバランスを保ったまま話が進行していって、(つまりドSFになりすぎない)ああ、これならこのSF展開もありだなと思える作りになっていました。
そして、「映画の完成を見せない」作りにすることで、実はタイムパラドックスの問題も解決していて、SFとしても齟齬がない超良く出来た作品に仕上がっています。上手い!
※ 時代劇ものとしても、
金子大地の面構え、役作りは見事なものだし、(決まってた)
「武士の青春」内の太刀のシーンは、高校生の自主映画にしては良く出来すぎ。
そして何より、本作ラストの太刀の興奮度は、あの「るろ剣」以上にアガる作り!
いいですか、カタルシスはあの「るろ剣」以上ですよ!!
太刀のアクション(特に伊藤万理華)が本当に素晴らしかったですね。
ハダシの勝新のモノマネとかも、良く出来ているでしょう。
「ハダシがそんなに夢中になるなら、時代劇、1本くらい観てみようかな」とこちらも思えるくらい、時代劇にも興味が持てる作りになっていました。
※ ラブストーリーとしては、
高校3年生の夏の物語だから、当然恋愛要素は入ってくるわけだけど、
現実にはバカらしくってありえないような「キュン」な展開を「大好きってしかいえねーじゃん」で見せておいてからの、本編の告白シーンへ。この流れも上手い!
ハダシの恋愛ももちろんですが、ビート板の恋愛シークエンスも最高に良かった。
私は男に生まれたので、「女の子が恋に落ちて、(失恋するとは)こういうことなのか」と思わず関心してしまう作り。ビート板に泣けた。キュンすぎ!
そして映画史に残る、伝説の告白シーンへと話は続いて。告白シーンが、キュンすぎ!!
※ 部活ものとして、映画製作ものとして、
今作は、映画部の学生が作品を仕上げていく過程を描いていますが、この制作過程がきちんと描かれているのが、とても良かったです。ハダシ監督も花鈴監督も、苦労して、時に徹夜で作品を仕上げていきます。
この、クリエイターとしての苦労がしっかり描かれているのが、特に良かった。
というのも、今作は、未来の映画がどうなっているかを描いており、それが昨今の「ファスト映画」に対する、痛烈なアンチテーゼになっているから。
クリエイターが苦労しながらなんとか仕上げるから、作品に「熱」が乗るんでしょ。それこそが映画でしょ。
そこがしっかり描かれているところに、制作陣の魂を感じたし、とても共感しました。
まだまだ、良かった点は、挙げるとキリがない。
(音楽と主題歌「異星人と熱帯夜」もすごく良かった、とか)
なんだけど、今作で最も褒めるべきは、やっぱり鮮やかすぎるラストシーン。
もっと細かく言うと、今作の「ラストカット」。
こんなに鮮やかにスパッと終わる映画は、他に観たことない!
なんという切れ味。なんという爽快感。最高のラスト!
いやー、、凄すぎて、ぶったまげましたわ。。
私は、この夏に、こういう映画が観たかったです。
そんな、特別過ぎる1本になりました。
私が今、人にオススメするなら、この作品を挙げます。
とにかく、良さを広めたい。来年の夏も、プロジェクターでみんなで観たい。
2021年、傑作は他にもあるけれど、瞬間最大熱量で、最も熱くなれるのは、この作品なんだ!
映画「サマーフィルムにのって」。
私たちの青春は、傑作だ。
ありがとうございました。
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