フライングめく、夏と恋。映画 サイダーのように言葉が湧き上がる
2021.08.14

フライングめく、夏と恋。映画 サイダーのように言葉が湧き上がる

皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。

映画「サイダーのように言葉が湧き上がる」(イシグロキョウヘイ監督)をTOHOシネマズ甲府にて、鑑賞して来ました。

サクッと観れる、夏っぽい、青春ボーイ・ミーツ・ガールムービー!
“俳句の映画”でありますが、意外と良かった。

※俳句詠みの男子高校生と、インスタライバーの女子高生のラブストーリーを描いたアニメーションムービー。

良かった点。

○ 俳句ムービー
俳句がテーマの映画ということで、そういう映画を観たのは初めて。設定も今の時代、俳句に夢中になる高校生というのは、1週回って逆にありそう。若い高校生がスマホにメモって、若い感性のままに俳句を詠むのが良かったです。
その中で劇中に出てくる印象的な一句「夕暮れの フライングめく 夏灯」というのは、結構名句なのではないかと思いました。情景に合っていて、しかも現代的で、素敵。フライングめくってなかなか思いつかないよな。
あと、全然5,7,5のリズムでない俳句が出てきたり、季語はどれなの?という句が出てきたり。
俳句については知らないことばかりだったなあと、認識させて頂きました。これこそ、ジャンルムービーの良いところ。

○ アニメのタッチ
画のタッチと言えば良いのか、アニメの画が観たことない新しい感じ。
ポップだしカラフルだし、でもうるさくなかった。アニメの快楽の一つに、「実写の世界が忠実に再現されたものを観たとき、風景さえも楽しく感じる」というのがあると思いますが、今作はそれがよく表現されていました。特にイオンモールの中の風景が、よく描けていたなぁ。

○ モール、シネコン映画
今作の舞台は、架空の地方都市「小田市」にある「ヌーベルモール小田」ってことになっていまして、そこの中にあるデイサービス(ひまわり)で、主人公はアルバイトをしている設定です。
はっきりとイオンモールなのですが、その描写が上手に出来ていました。
地方のイオンなんてどこも同じなのかもしれないけど、今作のこれ、どう見ても甲府にしか見えない。(笑)
こちらは今回、甲府昭和イオンモール内のTOHOシネマズ甲府で鑑賞していますから、完全に映画内とシンクロしました。舞台の中に飛び込んだ気分。
今作は、地方都市のイオンモールのシネコンで観るのが、本当におすすめ。「イオンモール映画」という新たなジャンルを確立した映画だと思いました。

○ 音楽
制作はアニメ・音楽レーベル「フライングドッグ」ということみたいで、
この映画、劇中に流れる音楽が良いんですよね。BGMなんかも、いちいち良くて。青春の心模様が音楽によって良く表現されていました。
フライングドッグのことは何も知りませんでしたが、アニメ業界では、どうも1大勢力のよう。すいません、何も知りませんでした。今作は、フライングドッグ設立10周年記念作品という位置づけだそうです。

個人的感想。

この夏に同じタイミングで公開されているアニメ映画「竜とそばかすの姫」にも通じる点ですが、脚本がもうちょっと良く出来ていればなぁ、というのが正直な感想。

話の筋が無理くりな点も多々あるし、不満に感じるところも多々。

※ 気づいたら一緒に帰る間柄になっているけど、「一緒に帰ろ」と誘うところこそが重要なんじゃん、とか
※ レコードのくだりが全然ストーリーに生かされてないよ、とか
※ ヒロインの心模様が全然伝わって来なかったな、とか
※ アパートの壁のグラフィティとか、クルマの落書きは、注意書きを入れたとしてもマズイよね、とか。
※ 心情を表すメタファーだとしても、流石にラストはやりすぎかな、とか

中でも、一番ツッコミを入れたくなるのがここで、
主人公の男子高校生「佐倉 結以」のあだ名が「チェリー」って。。

思春期男子高校生のあだ名として、それは絶対にありえない!!(笑)

といろいろ言いましたが、夏休みの高校生のボーイ・ミーツ・ガールです。
この手の話はつまり、これを観て「恋愛っていいな」と思えるかどうかがすべて。
そういう意味でこの映画は、ちゃんと恋愛することのドキドキと、甘酸っぱさのようなものがあったので、その意味で100点。
この夏に、恋をしたくなる。それだけでOKだ。

タイトな上映時間87分。杉咲花さんの声優も私には良かったし、夏休みのデートムービーってことでいいんじゃないでしょうか。

気楽に観れるっていうのも、良かったですね。観て後悔はしません。
普通に楽しめました。

ありがとうございました。

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