音楽というメッセージを投げ続ける。映画 アメリカン・ユートピア
皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。
高い前評判と、TBSラジオ「アト6」の「ムービーウォッチメン」の課題作品となっていた、映画「アメリカン・ユートピア」(スパイク・リー監督)を先日の東京出張の際、渋谷・シネクイントで鑑賞して来ました。
ライブ・ショーとしては、最上級の素晴らしさ。
しかし、「映画」としては、うーん、どうだろう?という作品。
デイヴィッド・バーンのアルバム「American UTOPIA」(2018)をブロードウェイで舞台化。それを記録し、映画にした「ライブムービー」
良かった点。
○ 「トーキング・ヘッズ」や、「ストップ・メイキング・センス」に関して
恥ずかしながら、「トーキング・ヘッズ」やジョナサン・デミ監督の「史上最高のライブムービー」と言われる、「ストップ・メイキング・センス」について、鑑賞前は、ほぼ何も知らない状態。
トーキング・ヘッズのフロントマン、デイヴィッド・バーンに関しても、「誰?」という感じでしたので、知らない世界を知れただけでも、価値がありました。
私の勝手な理解では、今回の作品は、「オフコース」のボーカルだった小田和正さんが、TBSでクリスマスにやっている、「クリスマスの約束」的な感じなのかな?
これで合ってます?
○ ブロードウェイのライブ・ショー
完成度が半端じゃ無い、今回の舞台。
演出から、音楽から、演者の実力から、とにかく、半端なくすごいレベルです。
舞台のチケット代は、現地で2万くらいするみたいなので、それが映画として1900円で見れるというのは、逆に「映画」というシステムのありがたさを感じました。
○ シネクイント
渋谷・シネクイントに10年ぶりくらいに行きました。当時の名称は、「渋谷シネパレス」。
前回、ここで観たのは、「ポカホンタス3」だったような(笑)
パルコも再オープンしていて、渋谷再開発も目の辺りにして。
いやー、時代は進んだなあ。。
観客は満員。老若男女問わない感じで、普段、自然の中で暮らす自分にとって、都市部のカルチャーに触れる機会は、新鮮で楽しかったです。
○ ポスターワーク
これ、ポスター勝ちでしょう。これのおかげで、観る前のテンションが上がり過ぎてしまい。。
ポスターは、とにかく素晴らしいです。かっこいいの。今年のベストアートワーク賞じゃないか。
個人的感想。
舞台が丸々映画になっているんです。言ってみれば舞台のPPVです。
って舐めてかかると、びっくりします。舞台としては、本当に素晴らしい。
マーチング・バンドのような、完成された動き、演出。
グレーで揃えたスーツの衣装も、スタイリッシュさを増していて、「ああ、自分は今、都会で洗練された舞台を観ているのだ」という、自分のカルチャーワナビー具合いを、大いに満足させてくれます。
この作品、アメリカでは、配信のみのようです。こんなの配信で観て楽しいのかね?
絶対に劇場で観るべき作品だから、日本は本当にラッキー。確かに映画館の音響システムで観られて良かった。
でも、正直、期待値上げ過ぎちゃったかな、というのが正直な感想で。。
良かったけど、そこまででは無かったかな、という印象でした。(やたら高評価なので)
トーキング・ヘッズの音楽も、デイヴィッド・バーンの音楽も、個人的志向にあまり合わず。。
音楽ライブなわけだけど、映画として観ているから、客席は誰も身体を揺らさないし(揺らせない)、声も出せないし。
映画になったから世界中で観れるメリットと矛盾しますが、皮肉にも、舞台と映画の違いが返って鮮明になって。
“ライブショーは、ライブショーであることに意味がある”、という事実を改めて認識しました。
舞台には、舞台にしかない固有の良さがあるってことですね。
デイヴィッド・バーンは、政治的メッセージを音楽によって投げかけようとしてきます。
平和や人種差別に対して、このどうしようもない社会を、少しでも良くしていこうというような。
例え無駄でも、社会に対してメッセージを投げ続ける覚悟のようなものは、彼のパフォーマンスから感じ取ることが出来ました。感動的な余韻で終われるのは、多分このためではないかと。
“Black Lives Matter”などの、アメリカで今起きている問題提起を知れるという点でも、観るべき価値があります。
でも超高評価に惑わされないで。
ハードルを上げない程度に鑑賞すると、とても感動する。
そんな映画かな、と思いました。
年末に振り返った時に、観といて良かったなとなる、そんな映画だと思います。
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