素人、落語を聴く。
皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。
先日のブログで書いた、緊急事態の中でも公演を続けてきた都内の4寄席が、5月1日から休業することになったそうです。
苦渋の決断。しかしそこは矜持を示し、香典にしかならない2万円の休業補償は受け取らないと発表しました。
「金が欲しいからじゃない」って。
しびれました。こういう気概に、心を打たれてしまいます。
金じゃないし、政治が何を言おうが関係ないし、自分のものさしで生きなさいってことですね。素晴らしいし、カッコいい。私もこうありたい。
寄席と言えば落語ってことで、猛烈に落語に触れたくなり、昨日は、立川志の輔さんの「新古典落語」ずっと流して聴いていました。
山音麦君のように、「好きな言葉は、バールのようなもの」と言えるほどではない、普段、落語を聴くことはない私ですが、立川志の輔さんだけは、たまに聴くようにしていて。それは彼の持つ伝説的エピソードの数々に心打たれたからであり。
29歳、妻子持ちで立川談志師匠に弟子入りしたこと。
地方出身(富山)、明大落研出身であること。(三宅裕司さんの後輩であり、渡辺正行さんの先輩)
寄席を経験していない、初の真打であること。
落語には存在しなかった、忠臣蔵の新作を発表したこと。
談志イズムを正統に継承していること。
すべてWOWOWぷらすと「落語論」サンキュータツオさんの解説から頂きました。
立川流ということで、冒頭の寄席には出演しないわけですが、現代落語の入り口としての、看板を引き受けるポストにある方だと認識致しました。
ためしてガッテンのMCで、ペヤングのおじさんですが、パルコでのワンマンは、松本人志さんが必ず駆けつけることでも有名。当たり前ですが、落語が超一流だから、あの位置にいらっしゃる方なのですね。
さて、「バールのようなもの」、「みどりの窓口」、「バスストップ」、「ディアファミリー」と立て続けに聴き流しましたが、まず冒頭のまくらから面白い。がらがらながら、優しさのある声に引き込まれますし、全般的に聞き取りやすい。師匠の立川談志さんより、ビギナーに優しいです。
話も現代劇なので感情移入しやすく、登場人物がどれもまた人情味に溢れていて、ダメなんだけど、憎めない奴らの話。うん、これがまさに「業の肯定」なんだな。
座布団一枚だけで、セットもなく、話芸のみで勝負する。舞台芸術の究極系、それが落語。それでも客を呼べる、ジャンルとしても強さを感じます。触れたのは志の輔さんオンリーですが、改めて落語の凄まじさを感じました。一流の落語は、凄いわ。
感銘を受けているのは、きっと私がガイド業を始めたこととも関係があるでしょう。ゲストとの会話だけでツアーを演出する仕事だと思っていますし、笑いも取りにいきたい。客を取って、楽しませる商売であることも同じ。
まさに、落語に上達のヒントがありそうです。
特に、冒頭のまくら。時事ネタをうまく笑いにつなげていて、常連客は「落語家なら、今日のニュースをどう捌くか」と思って見に来ている。まさに、自分を立てることでお客を集めている。
落語家とは、世間を切り取る、社会を写す鏡のような存在なのですね。憧れます。
私もツアーの冒頭に、まくらを入れられたら、お客様は楽しいだろうなあ。
日々自然のなかに身を置いている立場から、社会を眺めてまくらに出来ぬものだろうか?
土砂降りの雨の祝日。ゲストはなし。
今もまだ勉強中。落語にヒントがあると知った、印象的な1日でした。
この世界、これもまた、深い沼なんだな。(笑)
再開したら、(志の輔さんは観れないですが)新宿末廣亭に行ってみたいと思いました。
歴史の風雪に耐えたもの。古典芸能は、強い。
2021シーズン 第29日目
【ROBROY designing outdoors】は
西湖専門 パドルスポーツガイドサービスです。
皆様のご連絡を、心よりお待ち致しております。