【大傑作】ジョディ・カマーに恋をする。映画 最後の決闘裁判
2021.11.10

【大傑作】ジョディ・カマーに恋をする。映画 最後の決闘裁判

皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。

映画なんか興味が無いというそこのあなた。
今、映画館がすごいことになっています。コロナで公開が遅れていた2021年最重要作が、よりによって10/15に一斉同時公開!
何もそこまでかぶらなくてもいいのに、という超異常事態であります。

見きれんのか?

ということで、駆け足で行って見ましょう。まず第一弾はこれだ。

リドリー・スコット監督最新作。マット・デイモン&ベン・アフレック(&ニコール・ホロフセナー)脚本作。「最後の決闘裁判」。

上質でハイクオリティ。大傑作のすごい映画でした!

※ 舞台は中世ヨーロッパ。不倫裁判の決着を決闘でつけるという中世ならではのストーリー。
芥川龍之介「羅生門」のフォーマットらしいのだが、私は不勉強の為、よくわかりませんです。

良かった点。

○ 脚本がハイクオリティ。

話は単純にして、現代の感覚からは、ありえないくらい離れているのだけれど。(笑)
要は、妻からのレイプ被害の告白を受けて裁判が始まり、だけどその判決は、騎士である夫と容疑者がタイマンの騎馬戦で決める、という話。すごいわ。
結局、目撃者もいなくてどちらの意見も信じようがないから、戦わせれば神が正しい方を選ぶだろう、っていう理屈なんだって。うわー、中世に生まれなくって、本当に良かった。
舞台は1386年、今でいうところのフランス。百年戦争の真っ只中。(また、劇中では戦争ばっかりやってるんだわ)

主要登場人物は3人で、この3人の視点から観た、

※ジャン・ド・カルージュの真実(マット・デイモン)
※ジャック・ル・グリの真実(アダム・ドライバー)
※マルグリット・ド・カルージュの真実(ジョディ・カマー)

という主に3章構成。3者3様の視点から観た解釈がなされていきます。
この話の作り方、構成が見事で、ストーリーが面白くて、話に引き込まれます。
脚本担当は、ハリウッドきってのインテリ俳優コンビのマット・デイモンとベン・アフレック。
「グッド・ウィル・ハンティング」のコンビですね。
脚本が良く出来ていました。上映時間153分を長く感じる事はありませんでしたね。

○ 衣装、舞台設定がすごい。

舞台装置というか、衣装だったり、騎馬戦のシーンだったりの演出がすごいです。とても良く出来ています。私くらい中世ヨーロッパの知識に疎いと、ツッコミどころもわかりませんから、なんの違和感もなくのめりこめました。

○ 役者陣の「歌舞伎顔」がすごい

相変わらずマッド・デイモンの険しい顔は、特に騎士の格好をしていると画になるし、スター・ウォーズでもおなじみのアダム・ドライバーのエモさは今回も最高。アダム・ドライバーを見ただけで、こっちは半笑いになってしまします。(褒め言葉)
脚本のベン・アフレックも、その「顔面力」による「画面支配力」が素晴らしくて、歌舞伎顔役者達の凄みが出ていて、作品の重厚感とあっていました。

そしてそして、何というジョディ・カマーよ。素晴らしすぎて。後述します。

個人的感想。

巨匠リドリー・スコット(83歳!)の劇場版最新作であるわけで、これは見に行かないといけないやつだと思って参戦しました。噂通りの大傑作だと思いましたが、、あれ、客入りが少なめだったかな。。

総じてクオリティが高いと感じましたし、作品としての「完成度が高い」ということなのだと思います。

問題提起としては、「#MeToo」ムーブメント以降の現代まで続く性暴力、性被害の話だし、
現代から見ると、いかにも旧時代の産物と感じる「封建主義」とか「男のメンツ」についての話であって、
当時は女性に産まれると、もう流れに流されるままでどうしようもなかった、というそこにあった「現実」が突きつけられる話でした。

そこで感じるのは、「人類の(特に男の)どうしようも無さ」であって、これは中世から変わらない人類普遍の愚かさなのだなぁ。
それを現代劇で見せるよりも、あえて時代劇でフィクションで見せることで、より問題の根深さが浮き彫りにされるという。。
時代に投げかけるテーマ設定といい、これぞまさしく「映画」としての機能を果たしていると思います。

重厚な美術と配役も、今作の成功に繋がっていますが、中でも特筆しなければならないのは、マグリット役のジョディ・カマーのなんとまぁ、魅力的なことよ。
今作はつまり、ジョディ・カマーを取り巻く男たちがいかにクズか、という筋書きなのですが、皮肉にも誰より私自身がジョディ・カマーに夢中になってしまうという体たらくであります。

今年は「フリー・ガイ」(秋元年間ワースト作ですが)もありましたが、ジョディ・カマーの演技だけは気になっていましたから、これはスター街道を突き進むのでしょう。
「キリング・イブ」(秋元未見)から続いていると言われる2021ジョディ・カマー旋風。
そうですね、彼女にはこれから、アン・ハサウェイのようになって欲しい。

概ね大満足の今作ですけど、強いて指摘をさせてもらうと、
ストーリーの核になる「性暴力シーン」というのが、3者3様の捉え方で描かれるわけですけれど、これは、シーンとして実際に見せなくっても良かったのではないの?と思ったりもしました。あえて見せないことで観客すらも何が真実で、どちらが正しいことを言っているのかわからなくなる、という作りの方が、実在の性暴力の現場のリアルを表現出来ていて良いのでは?と思ったりもしました。
あえて描かない方が良いと思いましたが。。
意図があったのかしら?
ただ、気になった点はそのくらいで、それ以外はさすがリドリー・スコットと唸るような素晴らしい傑作だったと思います。個人的リドスコ作品ランキングでは「ブラックホーク・ダウン」と「グラディエーター」の間に挟まれての第2位にランクイン。

物語の最後、ジョディ・カマーの遠くを見つめる、その絶望を悟ったような表情は、今年の映画界No.1の名シーンではないか、と感じました。うん、ここ良かったな。

「最後の決闘裁判」
重厚にして上質な、素晴らしい作品だと感じました。

ありがとうございました。

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