抜刀斎は引退出来ない。幕末の辰吉丈一郎。 映画 るろうに剣心 The Final
2021.07.09

抜刀斎は引退出来ない。幕末の辰吉丈一郎。 映画 るろうに剣心 The Final

皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。

気になってはいたものの、漫画を読んだことがないし、前3作も未見だったため、正直たかをくくっていた、
映画「るろうに剣心 The Final」(大友啓史監督)をTOHOシネマズ甲府で鑑賞して来ました。

すいません。るろ剣を舐めていました。。
るろ剣はヤバい。めちゃくちゃ面白いぞ。今すぐ劇場で観てくれ!

漫画 「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」の劇場版第4作目。原作の「人誅編」が今作のテーマ。

良かった点。

○ 原作、映画前作、未見でも楽しめる作り

私がまさにそうなのですが、原作、映画の前3作を未見でも、十分に楽しめます。全く問題ない。
幕末から明治の話で、剣心は逆刃刀を使っているという設定だけわかっていれば、それでOK。
原作終了から21年。映画も前作から7年空いている作品としては、未見でも興味を引くというのがマストだったと思うのですが、これ完璧にクリアしていたと思います。

○ 超豪華キャスト&セット

観てみようと思ったきっかけのひとつはこれ。キャストが日本映画史上屈指の豪華さ。主役級が脇でさらっと出てるじゃない。
時代劇にお金がかかるのは、素人ながらに何度か聞いたことがあるのですが、今作はエキストラの数から、横浜駅のセットから、まあ、それはそれは、すごいのなんのって。
きっと動員を見込んでお金をかけたのに、公開ドンピシャのタイミングでの、緊急事態再宣言。これは応援しなくては、となりました。
客入りは、私が行った回ではそれなりに入っていました。さすがのビックタイトル。シリーズ人気あるんですね。これだけ面白いんだから、納得ですけど。

○ アクション

これ、みんな言うことなんでいまさらですが、チャンバラのアクションすごすぎですわ。
今まで観た全アクション映画の中で、NO.1だと思いました。弾丸飛び交うハリウッド大作より、マーベル(MCU)より、私は断然こっち(るろ剣)派ですわ。

個人的感想。

娯楽映画として、ぶっちぎりに面白かったです。

漫画が映画になっているので、鑑賞前に不安に思っていたのは、「20世紀少年」の悲劇。
漫画が実写になった時に、忠実に再現してしまうと、コントになってしまうあれの事。

冒頭、お団子食べながら佐藤健さんが「おろ」と実際に声に出して言った瞬間、「これ大丈夫かな?」と不安になり、左之助の衣装と背中の「悪」の一文字を実写で観た瞬間に、「うーん、これはまずい。。」と思いましたが、、この不安、最初の5分だけでした。

そっからはもうファイナルだけに、怒涛のアクションと、ファンサービスの釣瓶撃ち。ずっとメインキャストが変わっていないのがこのシリーズのすごいところですが、長く観てきたファンには、歓喜のシーンばかりだったのではないでしょうか。てんこ盛り感がすごい。

瀬田宗次郎(神木隆之介)と剣心の「夢のタッグマッチ」のシーンでは、「俺たちは、これが観たかったんだよ」と思わずこちらも、胸が熱くなってしまいました!
(繰り返しますが、原作読んでないので、瀬田宗次郎が誰かわかっていません笑。でも関係ない)

原作や、これまでの映画に対して思い入れがない視点から見ると、
剣心が「人斬り」を引退して10年経っても、まだ「自分探し」をしていて、結局まだ見つかっていないのが興味深かったです。剣心には、新しくやりたい他の何か(例えばビジネスとか)はなくて、結局、「ファイター」として生きるしか、生きる存在意義を見いだせない人に見えます。

アドレナリンが出る瞬間は、戦いにしか見いだせない。
だから、逆刃刀とか、「不殺」とか言っているけれど、結局は、戦うことをやめられない話だと思うのです。
特に今作のボス、雪代縁からは、徹底的に逃げまくる、という選択肢もあったわけで。(それじゃストーリーにならないですが。)

だから、戦わないわけにはいかない。剣心は「ファイターズハイ」であり、「ファイトジャンキー」な人だからです。普通の生活では、生きられない人だから。

現代でも、こういう職業はいくつかあります。
格闘家や、想像ですが性産業に従事する人なんかも、そうなのかもしれません。お金や名誉の為でもない、”それをしないと、生きてる意味が感じられない”という人々。

私は、未だに現役を貫くボクサー「辰吉丈一郎」の事を思い出しました。
きっと辰吉は、ボクサーじゃない自分を受け入れられないんだよ。
自分はとてもそうはなれないけれど、その刹那的な生き方、男としては憧れるなあ。。

今作で「Final」ってことになっているけれど、続編も可能で、最後、やっぱり死ぬまで戦うしか、剣心が報われる道はないんじゃないか、と皮肉にも思ってしまいました。
全然ハッピーエンドに見えないのは、平和が訪れても、剣心だけが幸せそうじゃないから!
剣心が、刀を持たないで生活していくなんて、無理でしょ。(笑)

と思っていたら、「北海道編」なる原作が、今もやっているらしい。
佐藤健さん、あまりにも素晴らしかったので、キャストが変わらず、佐藤健さんで行けるならば、続編がみたいくらいです。
「ミッション・インポッシブル」のトムのような感じで、歳をとった剣心もありだ。

とにかく、テンポといい、アクションといい、これまでに観たことない面白さがありました。
漫画原作だから、とそもそもリストから外している、”るろ剣を観る前の私”のような人には、特にオススメしたい一作でした。めちゃくちゃ、面白かった!

今作はタイトルが「The Final」で2部作の前編。

後編のシリーズ最高傑作(!)「The Beginning」へと続きます。

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