【酷評】サイコパスすら、バズりたい世界。映画 スプリー
2021.06.16

【酷評】サイコパスすら、バズりたい世界。映画 スプリー

皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。

絶対に観たいと思っている映画「猿楽町で会いましょう」を見るために沼津まで来ましたが、まさかの電話連続対応などで、上映時間に間に合わず。。
で、たまたまその時間から始まった、映画「スプリー」(ユージーン・コトリャレンコ監督)をシネマサンシャイン沼津で観て来ました。

「スプリー」という名の架空の配車アプリを使った、もうすぐなのか、すでにいるのか、「殺人系ユーチューバー」が主人公のPOV系ホラー・サスペンス。映画技法における「モキュメンタリー」であり、「ファウンド・フッテージ」要素もある。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のような作品。

私には、この映画はダメでした。現時点で今年ワースト。事故にあった気分だ。(笑)

個人的感想。

うーん、かなりつまらなかったです。辛かった。
こういう映画は久々。スッキリしない感情に持っていかれたという点で、皮肉にも、「映画体験」をさせられました。(笑)

まずストーリーが面白くないし、ノレない。リアリティが無さ過ぎて。。
要は、配車アプリ「スプリー」の運転手が殺人系ユーチューバーとなって、殺人していく様子を中継(モチーフはインスタライブ)したらバズるんじゃないか、という設定なのですが、、

これが、ツッコミどころがありすぎる。

※水を飲むだけで簡単に人が死んだり、、(これがメインの殺人方法って、どうよ)
※主要キャラが都合良いタイミングで、突然出てきたり、、(それじゃ話の筋なんていらないじゃん。ご都合主義過ぎる)
※伏線の回収はほったらかしだったり、、(DJウノはどこ行った?)
※素人の長回しのライブ中継なんて、観てる暇人はいないでしょ!(バズるわけないだろ)

など、私には観ていられないレベルでした。。

それでもまだ、「映像」が凄ければ、映画としての価値はあるかと思いますが、それもなく。。
いわゆる「スプリットスクリーン」(画面を分割して話が進むやつ)が多様されるこの映画ですが、結局それが見づらくて、疲れ果ててしまいました。それでいて、字幕の量も多くて。殺人のシーンも、映画としての品がないんだよな。。
音楽も個人的テイストに合わなかった。

というわけで、映画で観るもんじゃないっすよ、これ。
映画じゃない。

良く言われることですが、映画とは「撮影と編集」。
そこに気を配られた感は、この作品を観ていて全く感じなかったので、私ははっきりと「ダメ映画」に認定したいと思います。観客として、お金と時間を払っているから、言いたいように言います。
評価としては、最低レベル。

しかし、作り手たちが主張したかったこと。作品を通じてのメッセージは、現代的で一定の価値があり。

※SNS承認社会が生み出す成れの果て、を表現したかったのだろうし。
※リアルな殺人すらもゲーム感覚となる、「スマホ画面の向こう側は、フェイク」というリアリティの無い空気感を伝えたかったのだろうし。
※「匿名社会」では、果たして誰が、責任を担保してくれるのか。

などなど。
現代社会が抱える問題点を一応テーマとして、投げかけたい意図は感じます。
ただ、その手法が上手くないもんだから。。
だから映画作品としては、つまらないよ。

私は、ブログは書く気になるのに、SNSはどうも積極的にやる気にならないのは、承認を求めるこの感じ、空気感が好きではないからなんだな、と改めて認識させられました。
承認社会は、生きづらいなぁ。。

観客は、心配になるくらいに、当然私1人だけでした。
誰も観ないと思いますが、これはオススメしません。
傑作と前評判の高い、「猿楽町で会いましょう」の大きなタメになると信じたい。

ところでこの作品、なんで「スプリー」というタイトルなのでしょう?(単語はバカ騒ぎの意味らしい)
ストーリーと特に関係ないような。ノマドワーキングスタイルでおなじみ、最近見かけませんが、安藤美冬さん(株式会社スプリー代表)の事を思い出しました。
はっきりダメ映画でしたが、それでも蓄積にはなったと思います。

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