奥深きカヤックの世界 ”ワイルドウォーター”
2021.03.27

奥深きカヤックの世界 ”ワイルドウォーター”

皆様こんにちは。
ROBROY designing outdoors
秋元悠佑です。

写真は、なんと2017年ワイルドウォーター日本選手権参戦時のワタシ!

さて本日は、競技選手に混じって、ワイルドウォーターカヤックに約3年振りに挑戦しましたので、感じたことを残しておきます。

ワイルドウォーターカヤックとは、カヌー競技のひとつの種目ですけれど、言ってしまえば「水上のF1」です。5メートルを超える長さのFRP製のイカのようなフォルムのフネを、これまた速く進むことに特化した「スプーンパドル」を使って、

川の流れをいかに速く漕ぎ下るか、だけを競います。運営は、ストップウォッチがあればそれで良い。

シンプルな故、奥が深いのです。

まず速く進むことに特化してデザインされたボート(この場合、フネのことを指します)は極端にバランスが悪く、ただ乗っているだけでも大変なのです。常に転覆のことが頭をよぎります。そんな不安定なものを、流れが複雑に絡み合う川の流れに浮かべようというわけですから、とにかく「バランス」を求められます。

その名の通り、激しい川の瀬で競技を行いますが、運転技術も求められます。つまり、進行方向にある岩に激突しないように、細かくハンドルを切り続けなければなりません。コースアウトも普通に良くあることなので、ワイルドのパイロットは操作が忙しいです。

それでいて、競技として競っているわけですから、体力の限界まで、力を出し続けなければなりません。スプーンパドルはたっぷり水を捕らえますが、その分重く、腕はすぐに乳酸地獄に。一般的なレースでは、約1.5キロのコースで、競技時間はトップの選手で6分くらいのタイムとなります。その間、心臓にかかる負担、心拍数はMAXに。

過酷な競技なのです。日本国内では、専門の競技選手は男子シニアで30名〜40名だけではないでしょうか。スピードに魅せられた「狂人」だけが取り組んでいるニッチな世界なのです。ワイルドは狂ってる。

ワタシは久しぶりにワイルド漕ぎましたが、まずバランスが取れなくなっていて、プルプルしながら乗るようでした。そしてパドルの重いこと、重いこと。37歳、体力は少しづつ削られていることを実感させられました。やれやれ。。

漕いでる最中、頭のなかはシンプルに、「ボートを前に進めること」だけを考えます。

どんなスポーツでもきっとそうですが、”前進すること”は、動作の基本。マラソンランナーがフォームを確認するように。効率良く移動することには、誰でも出来て、大きく差を分ける深遠な技術が詰まっています。

カヤックにおける前進、「フォワードストローク」はちょっと練習すれば歩くことと同じなので、だれでも出来るようになります。出来るようになるだけに、逆に突き詰めて考える機会は、普段はなかなかありません。

それが、ワイルドに乗ると、否が応でも効率よくボートを前進させることを考えるようになります。

私は、そこにカヤックの真髄が詰まっていると感じていて、それの一端に触れてみたくて、競技にも、この狂ったワイルドにも取り組もうと思っています。辛いし、好きかと言われれば、実はそうでもなかったりするのですが。笑

そしてこの取り組みが、きっと湖でゲストを案内する時に活きてくるはずです。隠し味として、深みのある味わいが出るはずなんだ。

人生をかけて、このカヤックの世界を楽しみ尽くそうと思っていますから、今日の経験もまた、自分の幅を広げてくれたと思います。それにしても、最後に感想を一言。

「こんなに難しいのか。出来なすぎるな、オレ」

全く、思い通りにいかなかった。

プロは腕を磨いてなんぼ。プロは逃げちゃいけない。

カヤッカーの人生は続く。

シーズン開始まであと5日!

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